【ゆるゆるプランで富士登山2022】三度目にして初めて山頂に立つ【須走ルート】

自宅から見える富士山

 自宅からみえる富士山の頂上に立ちたいと思ってから4年、未だにコロナ渦が続く2022年8月17日、三度目にして初めて富士山頂に立つことができました。過去二度の富士登山では、いずれも失敗(途中下山)に終わっており、ずっと紋々とした気持ちを引きずっていました。今回は、二度の失敗を教訓にして、無理のない計画を立てて臨み、ようやく山頂到達という目標を果たすことができました。

 
 ですが、運悪く山頂は悪天候のため、もうひとつの目標であった日本最高峰(剣が峰:標高3776m)に立てなかっただけではなく、山頂からの絶景や火口を眺めることすらもできませんでした。
 吉田・須走ルート山頂(標高3706m)到達後、しばらく休憩してから、火口をみようと成就岳(標高3735m)までは行ったのですが、辺りは一面霧に覆われ、全く火口はみえません。更には、強風と雨でまともに歩けない状態でもあったため、お鉢巡り、および剣が峰に向かうことを断念し、成就岳から下りて、そのまま吉田・須走ルート下山道へ向かいました。
 なお、山頂が悪天候の場合、お鉢巡りのルートはロープで封鎖されるようなので、未確認ですがこの時も封鎖されていたのではないかと思います。
 
プリントできる富士山の登山地図 PDF(富士山の登山ルート全体地図)より

プリントできる富士山の登山地図・PDFファイル|初心者のための富士山登山
富士登山の地図がダウンロードできます。距...
 
 すべての目標を完遂したら、富士登山は今回限りで封印するつもりだったのですが、どうやらもう一度、来なきゃいけない理由ができてしまったようで、なんとも言えない気持ちで下山しました。

 

2. 今回の富士登山プラン

 今回の富士登山は、須走ルートにて山頂を目指しました。

 最初の富士登山は2018年8月に、富士登山ツアーというものに参加して、富士宮ルートにて山頂を目指しました。しかし、初心者がやりがちなミス(重すぎたザック)と体力的な問題も重なって、七合目にて途中リタイア(七合目の山小屋にて宿泊し、翌日下山)という結果でした。
 昨年も今回と同じ須走ルートにて山頂を目指したのですが、日帰り登山というプラン自体に無理がありました。思っていたほど登りのペースが上がらず、時間的縛りの問題(帰りのバスの時間)から、本七合目にて山頂へ行くことを諦めて、途中下山という結果に終わりました。
 つまり、過去二回の富士登山はいずれもが失敗(途中下山)に終わっています。

 今回は、前日に道の駅すばしりで車中泊をし、翌朝シャトルバスで須走口五合目へ行き登山を開始します。ここまでは昨年と同じで、異なるのは、日帰り登山ではなく山小屋に宿泊するという点です。1日目は本七合目にある見晴館という山小屋に宿泊して、2日目の朝に本七合目より山頂へ向かいます。

 前日に車中泊をすることになるため、3日がかりで富士山頂へ挑むという、時間的縛りをほぼ無くしたゆるゆるなプラン(笑)です。もちろん、ザックには必要な物だけをコンパクトに収め、できうる限り持ち運ぶ装備と水の重量は軽くして、三度目の富士登山に挑みました。

 

3. 今回の富士登山全行程

 今回の富士登山全行程は、以下のような感じでした。なお、山頂滞在時間は50分ほどでした。

 行程を見ると、休憩込みの時間ではありますが、登り合計7時間53分下り3時間40分と、かなりのスローペースだったことがわかります。これは、昨年経験した自分の登り下りのペースから大体想定できたペースであり、ほぼプラン通りに事は進んだのではないかと思います。ただ、初めて立った山頂が悪天候だったことだけは誤算でしたが、この経験もまた次に生かせていければと思っています。

### 今回の富士登山全行程(須走ルート) ###
<前日(8/15)>

道の駅すばしりにて車中泊

<1日目(8/16)>
登り(須走口五合目~本七合目) 9:47 – 15:10  5時間23分

須走口5合目(1970m)発:9:47
・6合目(2450m):11:20
・本6合目(2700m):12:20 昼食をとりつつ長めの休憩
・7合目(3090m):14:01
・本7合目(3200m)見晴館着:15:10

<2日目(8/17)>
登り(本七合目~山頂) 7:00 – 9:30  2時間30分
・本7合目(3200m)見晴館発:7:00
・8合目(3350m):7:22
・本8合目(3400m):7:58
・8合5勺(3450m):8:21
・9合目(3580m):8;57
吉田・須走ルート山頂(3706m)着:9:30
・成就岳(3735m):10:10
・剣が峰へ行こうとするも、悪天候のため断念

下り(山頂~須走口五合目) 10:20 – 14:00  3時間40分
・吉田・須走ルート下山道より下山開始:10:20
・砂払い五合目(2230m):13:15
須走口5合目(1970m)着:14:00

 

 全行程を通じて、高山病の症状が出ることは、ほとんどありませんでした。行動中は、すこしでも高山病対策に繋がればとの思いから「O2食べる酸素」という健康食品? を休憩の際に2~3粒ほど食べるようにしていました。これを食べていたから高山病にならなかった、とは言い切れませんが、多少は不安を和らげる効果があったのかもしれません。
 ただ、山小屋で眠っている時に少し頭が痛くなりましたが、鎮痛剤(ロキソニン)を飲むことで症状は治まり、その後は特に問題はありませんでした。

 

(1)前日

 昨年もそうでしたが、前日に道の駅すばしりにて車中泊をしました。道の駅すばしりは標高が826mあるため、真夏の夜であっても結構涼しく、駐車場から富士山を眺めることもできます。しかし、自分の車が車中泊に適していないこともあって、よく眠ることができず、せいぜい、2時間程度の睡眠時間だったと思います。

 

道の駅すばしり

 正直、登山前日の車中泊は考え直したほうがいいと思っています。ゆったりと眠れるスペースが確保できる車であれば問題無いのでしょうが、そうでなければ、当日移動など他の方法を考えた方がいいのかもしれません。

 

(2)1日目

 登山当日の朝、道の駅すばしりに隣接する須走多用途広場に車を移動させました。登山者はここに駐車して、検温を受けてから、須走口五合目行きのシャトルバスに乗る必要があります。昨年は駐車料金1000円でしたが、今年は無料で駐車することができました。

道の駅すばしりに隣接する須走多用途広場

 

 朝9:00のバスに乗り、須走口五合目へ行きました。古御嶽神社の鳥居をくぐって登山開始となります。9:47に登山開始となりました。

須走口五合目に鎮座する古御嶽神社

 

 登りはじめは、しばらくの間、須走ルートの特徴でもある樹林帯の登山道を登ります。まだ山頂はみえません。

須走ルート樹林帯登山道

 

須走ルートから眺める麓の景色には、もれなく山中湖が付いてきます。

樹林帯からみえる山中湖

 

 樹林帯をぬけ視界が開けてくると、ようやく山頂がみえてきます。

須走ルート登山道からみる富士山頂

 

 11:20、1時間半以上登り続けて、ようやく六合目(2450m)に着きました。ここには須走ルートで最初の山小屋(長田山荘)があります。トイレを使わせてもらい(200円払います)、しばらく休憩しました。

六合目

 

 12:20、本六合目(2700m)着。山小屋(瀬戸館)の前にあるベンチに座って、アヒルと麓の景色に癒されつつ、昼食がてらすこし長めの休憩をとりました。

本六合目からみえる麓の景色

 

 14:01、七合目(3090m)着。ここにある山小屋(太陽館)は休館中でした。
 昨年も経験したのですが、七合目から本七合目にかけて続く小石混じりの砂利道は、とても滑りやすくて登りにくく、須走ルートで最もキツイ区間だと思いました。

七合目

 

 15:10、長い砂利道を登りきり、ようやく本七合目(3200m)に到着しました。ここまで実に5時間23分もかかりました。昨年は、ここが下山開始地点となったのですが、今回は、ここにある山小屋(見晴館)に宿泊し、翌朝、山頂に向けて出発しまします。ご来光をみることにこだわりは無く、暗い中を登りたくもなかったので、深夜の出発は無しとしました。

本七合目(見晴館)

 

 昨日は、よく眠れなかったこともあってか、16:00くらいから寝床に入り、食事の時間を除いて翌朝の5:00まで、ほとんどの時間を眠りに費やしてしまいました。
 今回宿泊した山小屋では、以前に経験した山小屋泊とは違い、コロナ渦ということもあってでしょうが、寝床は隣とカーテンで仕切られており、まるでカプセルホテルのような感じで、快適に過ごすことができました。

 ただ、山小屋で熟睡したいのであれば耳栓を持参したほうがいいです。自分が全くいびきをかかないとは言えませんが、中にはいびき音のすさまじい方がいらっしゃいます。これは以前に経験した山小屋泊でも同じでした。自分は、形状を耳の穴にフィットさせるタイプの耳栓(MOLDEX メテオ)を持っていきましたが、いびき音に邪魔されることなく、ぐっすりと眠ることができました。反面、スマホのアラーム音が聞こえにくいというデメリットもありますので注意が必要です。自分は熟睡できることを優先させ、スマホのアラームは設定しませんでした。

 

富士山 山小屋 「見晴館」
富士山本七合目 山小屋 「見晴館」、営業情報

 

(3)2日目

 2日目は、朝5:00に起床して食事をとり、7:00に山頂に向けて出発しました。天候は小雨で、肌寒くもあったため、レインウェア(上)を着ることにしました。出発時点で、山頂の天候に不安がありましたが、最低でも山頂到達という目標達成のため、山頂へと向かいました。

 

 7:22に、三度目にして初めて八合目(3350m)まで来ました。八合目には下江戸屋という山小屋があり、天皇陛下が宿泊された山小屋とのことです。ここでどうやら、雨脚が強くなってきたようなので、ここでレインウェア(下)を履き、ザックカバーも付けました。

八合目(下江戸屋)

 

 7:58に本八合目(3400m)に着きました。ここで、吉田ルートと合流します。あいかわらず、天候はよろしくありません。

本八合目(吉田ルートとの合流地点)

 

 8:21、八合五勺(3450m)着。山頂まで1kmを切りました。あとすこしです。

八合五勺

 

 山頂まで、あと200m。ほんとうに、あとすこしとなりました。なお、九合目(3580m)の写真は撮り損ねました。(笑)

山頂まであと200mの標識

 

 この鳥居をくぐれば、もう山頂です。ようやく、ここまで来ました。

山頂手前にある鳥居

 

 9:30、吉田・須走ルート山頂(3706m)に着きました。残念ながら山頂の天候は大荒れです。天候さえよければ、お鉢巡りをして剣が峰に行く予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。50分ほどの山頂滞在の後、下山道に向かいます。

山頂の様子

 

 下山道からは、大荒れだった山頂とは違い、それなりに麓の景色を眺めることができました。相模湾と小さく江の島もみえます。山頂で数時間待っていたら天候回復の可能性があったんじゃないかとか、いろいろと思いを巡らせつつ、下山道を進みました。もちろん下山道をここまで下りてきて、もはや山頂へ引き返すことはできません。

下山道から眺める麓の景色


 吉田ルート下山道と須走ルート下山道の分岐点です。須走口五合目を目指しますので、右側の下山道に向かいます。ここで間違えてしまうと、大変なことになります。

吉田ルート下山道と須走ルート下山道の分岐点

 

 七合目あたりから砂払い五合目までは砂走りという下山道をひたすら下りていきました。体力のある方であれば、ずっと走りながら下りていくことも可能でしょうが、何度か転びそうになったため、走ることはやめて、ほとんどを歩いて下りていきました。

須走ルート下山道の砂走り

 

 昨年も経験しましたが、砂走りは足が砂に埋もれてしまうため、結構体力をつかう下山道だと思います。ただし、岩場を下る下山道に比べれば、比較的安全な下山道とも言えます。登山中の事故は下りの時に起きやすいと言われていますので、安全面を考えると、須走ルートはお勧めできるルートなのかもしれません。

 

4. 次回考えている富士登山プラン

 今回の富士登山で悔やむべき点があるとすれば、山頂アタックを1度しかできなかったことです。長期予報を調べて登山日を事前に設定したのですが、富士山の天候は変わりやすく、長期予報などアテになりませんでした。

 次回は登山日当日に山頂アタックをして、下山せずに八合目あたりの山小屋に宿泊し、もし初日の山頂が悪天候であれば、次の日も山頂にアタックするというプランを考えています。そのためには、今回よりも早く登山を開始し、また前日に充分睡眠をとることも必要だと思っています。

 2日間とも山頂の天候が悪かったら、それはもう仕方ありません。

 どの登山ルートで挑戦するかは決めていませんが、最も厳しいと言われる御殿場ルートでの富士登山を一度は経験したいという思いもあります。

 

5. まとめ

 富士登山を成功に導く鍵があるとすれば、いかに無理のないプランで臨めるかだと思います。特に、体力に自信がない方、体力が衰えていると感じる方にとっては、これがほぼ全てになってくると思います。
 また、水分の持ち込み過ぎにも注意が必要です。持ち運ぶ装備全体の重量が重くなればなるほど体力を消耗するのは当然です。過剰な水分持ち込みよりも、お金を余分に持っていきましょう。富士山価格(定価の4~5倍)ではありますが、各山小屋で買うことができます。このような時くらいは、金に糸目を付けぬ心構えで臨みましょう。

 富士登山はだれもが必ず登頂に成功するというわけではなく、初心者の富士登山成功率は50%と言われています。自分は過去二度の富士登山で失敗し、途中下山することになりました。しかし、いずれも引き際の判断は正しかったと思っています。
 最悪なのは、引き際を誤ってしまうことにより、自分の身を危険に晒す事態になってしてしまうことです。無事に家に帰りつくことが、ほかの何よりも大事ですので、天候、時間、体力的な問題などで、これ以上は無理だと思ったら、迷わずに勇気をもって引くようにしましょう。そして、経験したことを次の機会に生かせていけばいいのです。

 

 この記事が、いずれ富士登山を経験したいと思っている方々に、すこしでもお役にたてていただけるようであれば幸いです。

 
 
おわり

 

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