・ミラという星
くじら座にミラという星があります。
ダイハツの軽自動車の名前としての方が有名なのかもしれませんが、この星の名前(ミラ)が由来の車名です。そういえば、ジェミニとか、カペラという名前の車もありましたね。
ミラは、くじら座の胸のあたりに位置する星で、一番明るい時には肉眼ではっきりと見え、2等級の星程度に輝いている星なのですが、なぜか以下の写真では、はっきりと確認できません。
さて、どうしてこんなことになるのでしょうか?
・ふしぎな星
「ミラ」はラテン語で「不思議なもの」を意味し、「ミラクル」の語源であるとも言われています。名前の意味そのままに、この星は実に不思議な星です。
・2.0等級~10.1等級で変光する変光星
ミラは、明るさが変化する変光星なのですが、歴史上はじめて発見された変光星です。ミラのような星が脈打つことにより変光する脈動変光星には、星が最も収縮したときに、最も明るくなるという性質があります。
ミラの他にも、はくちょう座のデネブや、ペルセウス座のアルゴルなどが有名な変光星なのですが、ミラ以上に暗い時と明るい時の光度差がある変光星は、地球からは確認できていません。
変光周期331.65日の間に、2.0等級~10.1等級で変光すると言われていますが、変更周期や最も明るくなる時の等級は一定でなく、ばらつきがあるようです。
そのため、肉眼ではっきり見える時があれば、全く見えなくなる時もあることから、不思議な星として古くから認知されていたと思われます。
・新たに確認された姿
ミラは星の寿命を終えつつある死に近い星なのですが、近年になって彗星のような13光年にも及ぶ尾を噴出しつつ高速移動していることがわかりました。激しい脈動と高速移動により、吹き飛ばされた外層部の残骸がもたらした尾であると言われています。
激しい明るさの変化だけではなく、めちゃくちゃ長い尾を持つ恒星ということもわかって、より不思議な星としての認知度を高めている気がします。
その他の天体に興味がある方は、以下より探してみてください。
【天体観測】星座と周辺にある天体【四季の星座】
星座を形づくる恒星と周辺の天体について理解できればと思い、実際に撮影した星空写真を使って備忘録代わりに作ってきたものです。
星座一覧、一等星一覧から、目的の星座と周辺の天体の説明へと飛ぶようにしてありますので、どうぞご利用ください。
>おわり
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