夏の夜空に街中でも見ることができる夏の大三角。
三つの一等星でつくる三角形ですが、天の川を挟んで位置する織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)は七夕の星として有名ですね。街中で天の川を確認することは困難ですが、これにデネブを加えた3つの星からなる三角形は、夏の夜空でひときわ目立っている存在です。
・夏の大三角とは
・ベガ(こと座α星) [TOP画像の三角形上の星]
・アルタイル(わし座α星)[TOP画像の三角形右下の星]
・デネブ(はくちょう座α星) [TOP画像の三角形左下の星]
・ベガ
こと座のベガは、夏の大三角の3つの星の中では最も明るい恒星(視等級0.03)で、距離は25光年ほどです。アラビア語で「急降下するワシ」を意味します。織姫星として有名な星です。
0.19日の周期でわずかに変光する変光星(たて座δ型変光星)です。また、近年になり惑星系を形成しつつあることが確認されています。
ベガは、1万年以上の未来である西暦13000年ごろには北極星となることが予測されています。夏の季節の代表的な星であるベガがいずれ北極星になるというのは、何か不思議な感じがします。
・アルタイル
わし座のアルタイルは、夏の大三角ではベガに次いで明るい恒星(視等級0.77)で、距離は16.7光年ほどです。アラビア語で「飛翔する鷲」を意味します。彦星として有名な星です。
太陽の約1.8倍の質量と約11倍の明るさを持つA型主系列星です。また、自転速度が速く8.9時間で1回転します。あまりに自転速度が速いために、潰れた形状になっていることが確認されています。
・デネブ
はくちょう座のデネブは、地球からの距離が1411光年ほどあり、他の2つの星よりもかなり離れたところに位置します。全天で21個ある1等星の中で、最も遠くにある1等星として知られています。
アラビア語で「めんどりの尾」を意味します。半径は太陽の200倍,光度は65000倍以上という非常に大きくて明るい白色超巨星です。また、1.21等-1.29等の範囲を変光するという、はくちょう座α型変光星の代表星でもあります。
ベガやアルタイルに比べると見かけの明るさ(視等級1.25)では劣るデネブですが、実際の大きさや明るさは他の2つの星と比べて、けた違いに突出しており、地球からの距離の違いから、ほぼ同じような明るさに見えているだけです。
また、デネブも西暦10000年頃には北極星になると予測されています。
・夏の大三角の中に潜む天体
夏の大三角は、こと座、わし座、はくちょう座にある一等星から形づくられていますが、実はこの三角形の中に、別の星座がいくつか潜んでいます。星座の名前は、こぎつね座、や座、いるか座です。
おわり
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