【圧倒される人生】世に棲む日日【松陰と晋作】

・吉田松陰と高杉晋作の人生

 司馬遼太郎の「世に棲む日日」を読んで、吉田松陰と高杉晋作に惹かれるようになりました。前半は松陰のこと、後半は晋作のことが書かれてあります。

 とにかく面白すぎて、読み始めたら止まらなくなりました。彼らのことを知るきっかけとするには、よい小説だと思います。また、人によっては人生の指針となりうる本であるとも思っています。

・読み終えての感想

 読み終えて感じたことは、とにかくこのふたりの人生には圧倒されるってことである。二人とも30年にも満たない人生であったが、その濃密さは尋常ではない。

 このふたりの人生がどれほどに日本史に影響を与えたのか。実践して結果を残したのは高杉晋作であるが、己の捨て身の行動により、成功に導いたのはまぎれもなく吉田松陰である。

 ふたりは師匠と弟子の関係であるが、彼らの人間性というか素養については対極にあると言ってよい。師匠の松陰は「失敗」の人である。とにかく思い立ったら行動に移す人で、成功するしないについては二の次である。だからとにかく失敗する。性格も純粋そのもので、嘘が付けないバカ正直者。だから何をやっても失敗する。だが、捨て身の行動力は人を動かす。まさにこれこそが吉田松陰の神髄であると思えたりする。

 師匠に対し、弟子の晋作は「成功」の人と言っていいだろう。師匠から多大な影響を受けたことに疑いはないが、性格や素養につては別である。師匠と違って後先も考えずに行動することはせず、思慮深いところもある。ただし、動き出したら止まらない。まさに暴れ牛のごとく。

 思うに、このふたりの人間の融合があったからこそ成し得た大業だったと言えるだろう。弟子は師匠の捨て身の行動から、その尋常ならざる思いを知り、またその計画性の無い行動の結果を目の当たりにすることで、思慮深さを身に着け、後の成功に繋げていったのではないかと思えたりする。

 

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 あまり小説のあらすじとは関係のない話になってしまいましたが、彼らのことについては以下のページにもまとめてあるので、よかったらご覧ください。
 
 
おわり
 
 
 
 

 

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